株式会社の機関設計

株式会社の機関とは、株主総会、取締役、取締役会、監査役、監査役会、会計監査人、委員会(指名委員会・監査委員会・報酬委員会)、執行役など、会社を運営していくのに必要な人や組織のことです。

法人をひとりの人間に例えると、機関は頭脳や手足にあたります。
機関があって、法人は社会的活動ができるのです。

株式会社では、会社法が施行されるまで「取締役3人以上、取締役会の設置、監査役の設置」など、 機関設計に関する規定がおかれていました。
そのため、小規模な株式会社では、実際に業務をおこなわない「名ばかり取締役」を置いたり、監査についてまったく知識のない知人や親戚を監査役にしたりする例がしばしばありました。
(それを避けるものとして、「有限会社」という形態をとる会社も多くありました)

そこで、会社法は、株式会社の機関設計の自由が広く認められるようになりました。

自由度は

  1. 株式譲渡制限会社か公開会社か
  2. 株式譲渡制限会社でも大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上)か

否かで多少異なります。

会社法における取締役・取締役会の規定
  株式譲渡制限会社 公開会社
人数 1人 3人以上
任期 最長10年として、
定款により自由に設定可能
2年
(委員会設置会社の場合は1年)
選任・解任 株主総会による普通決議 株主総会による普通決議
定款の制限 取締役を株主に限定してもよい 限定できない
欠格要件 破産手続開始の決定を受け復権しない者を欠格とする規定の削除 破産手続開始の決定を受け復権しない者を欠格とする規定の削除
取締役会の設置 任意(大会社の場合は必置) 必置
設置・人数 設置は任意
(大会社の場合は1人以上)
1人以上
任期 最長10年として、
定款により自由に設定可能
4年以内
選任・解任 選任は株主総会による普通決議、解任は特別決議 選任は株主総会による普通決議、
解任は特別決議
権限 定款で会計監査のみに限定可能 業務監査および会計監査

以上から、ほとんどの会社(大会社でない株式譲渡制限会社)の最もシンプルな機関設計は、 「取締役(=社長)1人」 というものです。

取締役会や監査役の設置が信用度に影響する可能性はありますが、役員を増員すると、その分役員報酬の負担が増えることになります。

はじめようとしている事業の種類や規模しだいでは、役員は取締役ひとりでスタートし、事業の状況や予算をみて役員を増やしていく、という方法をとっても良いかもしれません。


対応エリア

札幌市(中央区、北区、東区、 西区、手稲区、白石区、 厚別区、豊平区、清田区)、 北広島市、その他札幌市周辺 エリアも対応可!

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